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2月13日 曇、夜になって雨

9時過ぎ起床。朝食に、玄米を明太子で。昨日の残りの大根の味噌汁。10時過ぎ、家を出る。朝、喫茶店で、小林敏彦『ニュース英語パワーボキャビル4000語』(語研)。コーヒーが旨い、ということは、体の調子がいいということだ。思いっきりとばし、1時間半まで圧縮できた。
午後、『中央公論』を読み、次いで、佐藤優『テロリズムの罠 右巻 ―忍び寄るファシズムの魅力』、『テロリズムの罠 左巻 -新自由主義社会の行方』(角川ONEテーマ21)を読む。
夕飯はカレー、食後にチョコレートケーキ。チョコレートケーキは美味いがヘビーだった。食べ過ぎた。
夜、1時過ぎ、就寝する。

佐藤優『テロリズムの罠 右巻 ―忍び寄るファシズムの魅力』(角川ONEテーマ21)
-「マルクスの『資本論』の論理では、商品は共同体と共同体の間から生まれる。そして、商品交換の便宜から貨幣が生まれる。貨幣は商品の一つに過ぎないにもかかわらず、特殊な性質を帯びることになる。貨幣はいつでも商品に交換することができるが、商品はいつでも貨幣に交換できるとは限らないからだ。しかし、資本主義システムは、商品が常に貨幣に交換可能であるという擬制によって成立している。擬制は擬制である。いつか崩れることになる。資本の過剰によって、商品がふんだんにあっても、それを誰も買うことができない恐慌の恐れを常に資本主義システムははらんでいる。」(P116)
-「例えば2007年に定年退職したサラリーマンが退職金の5000万円を、定期預金の利率が低いので、銀行の信託投資に預けたとする。2008年のサブプライム危機、リーマン・ブラザーズの破綻を受けて、原価が3000万円に目減りしてしまった。生活設計がくるった老夫婦での今後の生活に不安を感じても、自らの力で解決することができない。これが疎外された状況なのである。疎外された状況から不安は生まれる。」(P132)
-「資本、労働力商品、地代、貨幣などの資本主義的生産様式によって出現するすべての事象は、宗教的信仰によって成り立っているのだ。」(P161)
-「人間も資本主義社会も、普段は意識しないが、不安の上に存立している。危機的状況に直面すると不安の姿が見えてくる。不安に耐えることができない人々は、テロルによって不安を一気に解消しようとするが、それは不可能だ。テロルが自らに向けられれば自殺になる。テロル、自殺は、不安に対する偽りの処方箋だ。
不安に対するもう一つの偽りの処方箋がある。国家を強化する運動に自らを埋没させることで、不安を解消しようとするファシズムの道だ。人間の解放は、暴力装置である国家に依存することによってではなく、人間によってかちとられる必要がある。国家ではなく、人間と人間が相互に依存する社会(共同体)の力によって、不安は解消されるのだ。」(P177)

『テロリズムの罠 左巻 -新自由主義社会の行方』(角川ONEテーマ21)
-「国家とは抽象的な存在ではない。官僚によって運営される実体をもった存在である。官僚は、社会から、税という収奪を行なうことによって生きている。この収奪が可能になるのは、国家が究極的に暴力によって支えられているからだ。国家と社会の関係は基本的に対立している。それならば、国家を除去して、社会だけを自立させることができるように思えるがそうではない。国家は必ず複数存在し、他の国家を征服、あるいは従属させて、収奪することを常に狙っているからだ。したがって、外部の国家と対峙するとき、国家は自らの社会を主観的にも客観的にも擁護する立場をとる。一つの国家・社会から国家を除去すれば、その社会は他の国家の餌食になるだけである。それだから無政府主義者によって統治される領域が、現実の世界には出現しないのである。
しかし、原理的に国家がなくても社会は存在するが、社会なくして国家が存在することはない。このように国家と社会は、非対称の存在なのである。」(P42)
-「資本主義的な経済主体は、その本質において国家の庇護を必要とする。新自由主義が称揚したグローバル資本主義が、東西冷戦後の唯一の超大国である米国と結びついたのは、当然のことだ。
新自由主義による市場原理主義は、森羅万象を商品にする傾向がある。そして、金融派生商品という実体経済から著しく乖離した投機に新自由主義は流れていった。このような賭博経済がいつか破綻することは明白だった。そして、2008年9月の米国証券会社リーマン・ブラザーズの破綻でそれが現実になった。その後、第二次世界大戦後初めての不況が世界を覆っている。各国は国家機能を強化することで、危機から抜け出そうとしている。
しかし、新自由主義において、人びとが固体に分断されてしまったために、民族や国民としての連帯感が希薄になった。(中略)
日本社会が内側から崩れ、弱体化しつつある。日本社会が弱体化すれば、当然、日本国家も弱くなる。そして、国家・社会の弱体化とともに、国民が何かに対して苛立ちを感じ、怒っている状況が続いている。」(P233)

by daiouika1967 | 2009-02-14 23:24 | 日記  

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