3月11日 晴

競馬で当てたおっさんの与太を聞いているのに等しい。ビジネス書の劣化再現、どこかで読んだような聞いたような「教訓」「説話」ばかり、まったく退屈極まりない。経営者の集まりに出席して連中の得々としたお喋りを拝聴していたら顔が「笑顔」にこわばってしまった。

資本主義は「社会の病気」であるゆえそのなかで生きるおれたちはその「病気」とどうにか折り合いをつけていかなきゃいけない。折り合いをつける、ということは、自分を折りたたんで重層化し、自分のなかに「襞」をもつということである。しかしなかにはそんな「襞」を持つことなく、その「病気」に全面的に適応しているようなタイプの人間もいて、そうした連中はたいてい表情がのっぺりしている。そうした連中といっしょにいると、奇妙な宗教団体に迷い込んでしまったようで、身の落ち着けどころがなくて疲れるのである。

今日は11日。高橋幸宏のNEWアルバムの発売日である。タワレコで『Page By Page』、いっしょに高橋幸宏アルファ時代のベスト2枚組『Turning The Page Of Life』、YMOのライブ『LONDONYMO』も購入。小5でのめりこんで以降30年、おれのミュージックライフの7割はYMO関連で占められている。

三省堂にも寄り、吾妻ひでお『地を這う魚 ―ひでおの青春日記』(角川書店)、木村俊介『変人 ―埴谷雄高の肖像』(文春文庫)、中村淳彦『名前のない女たち ―企画AV女優10人の人生』(宝島社)、青野春秋『俺はまだ本気出してないだけ』3巻(小学館)、『本人』vol.9を買う。

喫茶店で吾妻ひでお『地を這う魚 ―ひでおの青春日記』(角川書店)を読む。メインキャラとは別に、宙を泳ぐ魚、地を這う足の生えた魚、目玉のついた得たいの知れない生き物、用途不明のぐにょぐにょしたメカなんかが、画面いっぱいに跋扈している。そいつらは、たぶん、「他者」の断片、「無意識」の現れのようなもので、「現実」というのはいつもそんな欠片が集まって構成されている。吾妻ひでおの描くごちゃごちゃしたヒトコマヒトコマは、だから、夢のようにリアルな現実の描写にほかならない。
次いで、木村俊介『変人 ―埴谷雄高の肖像』(文春文庫)。1999年に発売された当時買いそびれてしまっていた本が文庫化された。埴谷雄高について、27人の関係者、著名人に訊いたインタビュー集。とりわけ小島信夫、吉本隆明、坂本龍一の記事を興味深く読んだ。誰のことも信じていないがゆえに、誰に対してもやさしく親身になれる人だった、という、そのニヒリストとしての在りようが彷彿とする。
喫茶店から家へ。スープカレーの夕食をとり、すこしうとうとして、テレビを眺めて、今日買ったCDをパソコンにおとし、聴きながら、読み継ぎ、読了する。
YMOのロンドンライブ、「RIOT IN LAGOS」は圧巻。なんてファンキーなんだろう!もってかれた。高橋幸宏のベスト、懐かしい。どの楽曲を聴いても、リアルタイムで聴いていた頃の空気感、気持ちの色あいが甦ってくる。凍結された記憶が次々に解凍される快感。
そんな快感に浸りつつ、青野春秋『俺はまだ本気出してないだけ』3巻(小学館)を読む。さらに、中村淳彦『名前のない女たち ―企画AV女優10人の人生』(宝島社)を読み始める。半分くらい読み進んだところで、時計を見ると2時過ぎ。
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by daiouika1967 | 2009-03-12 10:22 | 日記  

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