10月6日 火 雨

今、これを書いているのは、8日(水)の深夜なのだが、テレビでは台風18号のニュースがやっている。二年ぶりの日本上陸だそうだ。かなり強い台風らしい。
今日(6日、火曜日)も、一日台風前の不穏な天気だった。時々雨のぱらつく曇天。

仕事の合間に、川端要壽『堕ちよ!さらば ―吉本隆明と私』(河出文庫)を読み始める。
「典型的な戦中右翼」であった吉本が、敗戦という「挫折」をいかにヘヴィに受け止め、その負の体験から自らの思想を鍛え上げていくか。その辺りの思想的なドラマは、吉本自身の回顧的な語りに詳しい。
敗戦を経る前の青年期の自身については、吉本自身は「傲倨に満ちた青年期」と、その自らの在りようを否定的に提示するのみだが、この小説には、そうした否定的な自画像とは違った、著者のような近しい者だけが描くことのできる、いわば「魅惑的なカリスマ」としての吉本隆明が活写されている。
逆に、敗戦後、吉本の内面で展開される「思想的なドラマ」については、著者はそれを共鳴的に追跡しうる資質の持ち主ではないようだ。著者は、自ら、こう書いている。
―「所詮、吉本が苦悩した敗北と挫折に比較するならば、私の挫折など物の数ではなかった。つまり、私には敗北とか挫折などと意識の深層で現実を把握するほどの能力もなければ、資質もなかったのだ。だから、吉本が苦境の時代を見事に再結晶させたにもかかわらず、私は再結晶させるスベも知らず、そのままズルズルと泥沼にのめりこんでいくように、居心地のよい人生の裏街道を突っ走ってしまったのである。」なるほど、思想家としての資格をもつ者とは、「意識の深層で現実を把握」し、自らの「苦境の時代を再結晶」させる資質の人間なのである。それは、吉本自身に言わせれば、ある種の病的な人間の
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by daiouika1967 | 2009-10-08 00:41 | 日記  

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