10月10日 土 晴

植島啓司・九鬼家隆・田中利典『熊野 神と仏』(原書房)を読む。2007年、2008年に行なわれたシンポジウムを元にまとめられた本。九鬼家隆は宮司、田中利典は修験者、共に熊野という聖地に深くコミットする宗教者である。植島啓司が探求する“聖地”というテーマ系、そのなかでも、熊野という場所は、植島には何かと縁深い土地のようだ。
「紀伊山地の霊場と参詣道」は、熊野三山、吉野・大峯、高野山というそれぞれ異なる宗教の聖地を中心にして、まるで網の目のように参詣道が結ばれる、世界でも特異な(いや、唯一の)スポットである。植島は、その形成について、「神道、修験道、仏教(真言密教)のみならず、いまだ道教や陰陽道などの教えも生きているということは、そこが教理を超えた特別な空気を感じさせる場であったことをうかがわせるものである。つまり、それらの結びつきは、いわゆる『神仏習合』『本地垂迹』などの言葉で表されるよりも、はるかに根源的なものではないかということである。熊野本宮大社の九鬼家隆宮司も、吉野金峯寺の田中利典執行長も、そうした結びつきの強さについては異口同音に認められており、もしかしたら神道と仏教とは『はなから』習合していたのではないかとかとまで考えられている」と語る。そして、紀伊山地での自然―宗教体験になかこそ、日本の融和的な宗教風土を考える原型があるのではないか、と示唆する。
日本人の宗教感情が、ある種の自然-宗教体験のなかに根ざしているのだすれば、自らの根源を知るためには、山にこもらなくてはなるまい。

三省堂で、福田和也『大作家“ろくでなし”列伝 ―名作99篇で読む大人の痛みと歓び』(ワニブックスプラス)、橋本治『明日は昨日の風が吹く ―ああでもなくこうでもなく インデックス版』(集英社)を買う。2690円。
家に帰ったら、アマゾンで買った有田憲史『「売る」コピー39の型』(SHOEISHA)が届いていた。「ほぼ日」で糸井重里が推薦していた本。
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by daiouika1967 | 2009-10-12 08:58 | 日記  

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