4/16(土) 晴

朝、ふらっと喫茶店に行き、福田和也『東京の流儀』(光文社)のページをめくる。
帯の抜粋―≪散歩っていうのは逃避なんだ。でもねえ、逃げるって楽しい≫―に誘われて、今日はわかりやすく有用なモノゴトから逃避し、ただ遠い記憶に浸るような無為の時間を過ごすことに決める。

喫茶店を二件はしごして、一冊を読み了え、昼食には、地下街にある定食屋を使った。日替わり定食。ハムカツ、ホタテフライ、キャベツの千切り、ポテトサラダ、アサリの味噌汁、漬物。幸せ。

食後、3件目の喫茶店に入り、岡田暁生『音楽の聴き方 ―聴く型と趣味を語る言葉』(中公新書)を読む。
音楽を聴く、とは、ある動きを感受する、ということだ。自らの身体で、その運動を再現することで、そこに未知の情動を発見するということである。音楽の醍醐味は、その未知の情動を通して、そこに意味=他者が現前するのに遭遇することにある。
≪「美しくて、人を癒し、快適な気分にさせ、あるいは感動させ、勇気づけるもの」だけが音楽だという固定観念を捨てる。古代遺跡を見るときのように、「分からない」というミステリーに楽しみを見出す聴き方もある。前衛音楽の多くのように、美しさをあえて拒絶し、真実の認識たらんとする音楽もある。≫

一冊を読み了え、午後は野暮用をひとつ済ませる。夕暮れ、公園でブランコで遊ぶ子供が逆光に溶けている情景を眺めつつ、ベンチに座り、聴いている音楽は高橋悠治が弾くフェデリコ・モンポウ。ふと、子供の頃の退屈がよみがえり、ふわっと全身を包まれた。
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by daiouika1967 | 2010-04-19 23:30 | 日記  

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