11月17日

6時過ぎに目覚めると、昨日忘れないようにしようと思った気がかりが頭を占めていて、なんだかつまらない朝だ。

sakuraがさかって鳴きながら身をよじる。作業中の机にとびのってくねくねと腹を見せる。撫でてやると喉を鳴らしてさらに激しくくねくねする。可愛くもあり鬱陶しくもある。

いつものように7時56分のバスに乗り、駅西の喫茶店に寄る。朝、一時間半の読書。今週は月曜からずっと同じペースを確保できている。ルーティンが心地いい。
今朝は、宮本常一『日本文化の形成』上巻(ちくま学芸文庫)。YMOの2009年ロンドンでのライブ録音を聴きながら、半分、読み進む。

社会史や民俗学。宮本常一や網野善彦が描き出す社会の基層。その背景から起き立つ文学。文学の起源。例えば西郷信綱による古典の読解。「起源」はつねに「現在」に通じている。吉本隆明が問題化する「現在」。

打合せ、打合せで一日が暮れる。
昼飯のハンバーグ弁当がうまい。
夜飯の吉野家の牛丼もうまい。
牛丼のようなものをおいしく感じるときは、飢えているときだ。
たまたま空腹というのではなく、飢餓感が全身にいきわたっているようなとき、牛丼のようなものがしみるようにうまい。

伝えたいことをじゅうぶんに伝えるには、白か黒かではなく、灰色の濃度の違いを的確に描き出すだけの、精度の高い表現力が必要になる。転調すべきところで転調し、現実の複雑をそのまま捉えて提示するように話さなければならない。
曖昧なのではない。むしろ厳密なのだ。要約不能な厳密さ。

夜。phewのカバー曲集を聴きながら、帰路を歩く。にじんだような音像が、疲れた神経を慰撫する。ほんとうに、いい音だ。いい歌だ。

ふと、気づいた。あなたとの関係が、無数にあった可能性のひとつでしかなかったただの偶発事から、ひとつの必然へ、「私」というものを構成する決定事項へと、いつしかその性質を変えていることに。だからもはやおれには、「もしあなたと出会っていなかったら」と想像することもできない。そうか、人は、このように、「偶然」を「運命」に昇華-消化するのだ。
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by daiouika1967 | 2011-11-17 23:30 | 日記  

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