12月17日

大きな屋敷がつづく、庭に植えられた樹木の翳の落ちる、すこし薄暗い街路を歩いていると、細い川に架かった、ほんの十歩ほどで渡れる小さな橋の欄干に凭れ掛かるようにして、おそらくは60代になりかかったあたりの老婦人が、スケッチブックに色鉛筆で絵を描いていた。
何となく覗き込むと、そこには川のほとりの景色、しょぼしょぼとした水の流れと、葉の落ちかかった街路樹の淋しげな枝ぶりが描かれていた。画題とするにはあまりに何でもない景色だが、サラサラと色鉛筆を動かすその筆さばきはなかなかの熟練を感じさせる。それで「うまいもんだな」と思わず感想が口から漏れた。
老婦人は、一瞬きょとんとした顔を向け、すぐに小さく会釈をして、「どうも」とお礼のようなものを返して、おれが目礼すると、そのまままた絵を描く作業に戻っていった。
最近どうも口が緩いというか、ぼんやりしているとつい思ったことがそのまま口から漏れ出てしまう。離人症の症状が進んでいるのだろうか。気をつけないといけない。
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by daiouika1967 | 2011-12-17 17:17 | 日記  

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