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2月27日(水) 晴、曇、晴 気温低し

9時過ぎに起床。今日の朝食は海苔を巻いた焼餅2個。日記をつけ、ネットを周り、11時過ぎに家を出た。

名駅から栄にかけて歩いていくと、その2、3キロの道中に、ドトールやカフェ・ド・クリエ、コメダコーヒーなど、チェーンの喫茶店が十数件(数十件?)も密集している。店を出て次の店までの距離は、短いところで徒歩1分、長くても10分歩けば次の店にたどりつくことができる。
おれはいつも、ひとつの店で、たいていはコーヒーを飲みながら(コーヒーは、一番安いドトールで180円、一番高いコメダコーヒーでも330円だ)、1時間から1時間半くらい本を読み、次の店に移動する。
移動中はアイリバーで音楽を聴いている。本を読んでいる間も、たいていそのまま音楽を聴いている。
最近は夕方6時過ぎくらいに家に帰るのが習慣になっているから、昼前から6時頃まで、だいたい4、5件の喫茶店をハシゴして本を読み、音楽を聴いている。三昧境に遊ぶ日々だ。
もちろん、その合間に、仕事の予定が入ることもある。仕事ではないが、誰か人と会うようなこともある。三昧境に入っていると、雑然とした現実と関わるのは、じつに面倒くさい。しかし、現実を逃れることはできないので、肚を決めて、ふりかかってくる雑事は、恬淡とした態度で消化するようにしている。

今日も、いつものように、喫茶店から喫茶店へと移動しつつ、野坂昭如『文壇』(文春文庫)を読んだ。
このあいだ、古本屋をぶらついていたら、店の前の「すべて100円」のワゴンに積まれていたのを見つけて購った。
野坂昭如が、放送業界の雑文書きから、処女小説『エロ事師たち』を書き上げ小説家としてデビューし、直木賞を取るあたりまでのことが、文壇の人々との関わりを中心に、自叙伝風に綴られている。
文壇へのゴシップ的興味は、おれにはあまりない。読む前は、そんなことが中心に書かれているのかとも思ったが、そればかりではなかった。小説が産みだされる、その苦吟する現場が活写されている箇所がいくつかあり、おれにはとりわけそういったところが興味深かった。
なかなか小説が書き始められない。締め切りを過ぎて、とりあえず何か書かなくては、と見切り発車したら、言葉がつながっていった。しかし果たして、その結果が小説として成っているのかどうか自分ではわからない。そんなことが繰り返される。
―「何も考えられぬ、冒頭部分は、まったくの思いつき、出鱈目、いい加減きわまる文字を連ねるうちに、文字が連鎖反応を起こしてつながって行く、これが途切れたらお終い、だから行替えできず、句点が打てない」。
―「締め切りギリギリというより、かなり過ぎてからでないと、文字が書けない。生来、几帳面な方じゃないが、締め切りをずい分前から意識して、あれこれと想を練ってはいる。(中略)が、なまじ筋がはっきりすると、書けない。少し資料を調べれば、楽に仕上がりそうなもの、いちおう消息通に、軍隊の仕組みや何やかや教わったのだが、教わるほど書く意欲がうすれる」。


午後3時。午前中は晴れていたのだが、午後になって雲が出てきて、雨粒が数滴風に流されて飛んでくるといった曖昧な天気になった。寒風が吹く中を、栄まで歩き、<丸善>に行った。
文庫の棚を流し、大岡玲編『文芸誌「海」精選対談集』(中公文庫)坪内祐三『文庫本福袋』(文春文庫)を手に取った。文芸書の棚で、古井由吉『ロベルト・ムージル』(岩波書店)という本を見つけ、これも迷わず手に取った。3冊購入した。

喫茶店に入り、大岡玲編『文芸誌「海」精選対談集』(中公文庫)を読み始めた。志賀直哉×里見弴、土方巽×唐十郎、永井龍男、河盛好蔵、平野謙×藤枝静男、埴谷雄高×野間弘の対談を読んだ。
夕方、マックスバリュに寄って、3千円分の食材を買って、家に帰った。夕方から空気の冷え込みが厳しくなり、こめかみに締め付けられるような鈍痛が起こるほどだった。
夕食は、冷凍食材から里芋の煮付け、こんにゃくの煮付けをボイルし、買ってきたササミ入りサラダ、アスパラのおひたしでご飯を食べた。野菜ばかり。
夜は、テレビを眺めたり、Pをじゃらしたりしながら、合間にパソコンの前ですこし仕事を消化した。1時半頃就寝。

by daiouika1967 | 2008-02-28 10:57 | 日記  

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