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3月1日(土) 晴

10時過ぎに起床。パソコンを起動して、メールをチェックすると、ヘルスの店長をやっているOから、仕事の依頼が届いていた。Oがアングラで開催するイベントの企画について打ち合わせしたい、とのことだったので、都合のいい日時を返信しておく。
おれは、イベントの企画、演出、宣伝、集客を受け持つ。Oは女の子を用意する。儲けは折半。以前開催したイベント―“ワケあり若妻オークション”では、普段なら1時間15000円のヘルス穣に、最高で一晩25万円の値がついた。女の子たちも、Oも、顔をホクホク綻ばせて喜んでいた。
―やっぱり風俗って企画次第ですよねえ。今日はそれを実感しましたよ。できれば毎月何かやりたいですねえ。
おれも、一夜で40万円ちょっとの儲けは悪くはないが、しかし準備期間の苦労も考えると、ちょうど見合った額でしかないようにも思う。
今度は、すこし目先を変えた企画を考えなければならない。さて、どうするか。おれは自分自身、最近では、セックスに淡白になっているので、妄想を膨らますのも一苦労である。

午後。駅前の喫茶店を何軒か移動しつつ、坪内祐三『文庫本福袋』(文春文庫)の続きを読み継ぐ。夕方、読了した。
6時過ぎに帰宅した。妻は、空腹に耐えられず、ちょうど今ラーメンを食べ終えたところだと言う。おれもインスタントのラーメンを、冷凍の葱とホウレン草を入れて煮て、それで夕飯を済ました。

7時から、テレビで、「恐怖映像ベスト50」という番組がやっていた。おれは、霊が映りこんでいるというような映像は大好物なので、久しぶりにテレビの前に座って番組に見入ってしまった。
じっさいそこに映っているのが霊なのか自然現象なのか、真実なのか錯覚なのかそれともトリックなのか、じつのところそんなことはどうでもいい。ただ、そこに何かが映っていて、そのことが、見ている人間に恐怖を覚えさせるという、その映像の力、効果が興味深いのである。
見ていて、いくつか、背筋に悪寒が走るような映像があった。そのうちひとつは、どこか廃墟での撮影で、部屋の片隅に、なにか影のような異物がある。え?何かある?撮影者がそう思った直後、その遺物がふわっと空中に浮き、それが女の生首だと知れる。いやっ。いやあっ、という撮影者(女らしい)の悲鳴。女の生首が撮影者に向かってふわっと近づこうとしたところで、撮影者が恐慌を起こし、カメラをその生首に向けつづけることができなくなる。画面が大きく揺れて、そこでその映像は終わっている。
撮影しているその現場で、撮影者が自分が撮っている映像のなかに異物を発見する。撮影者は、自分の眼前に、たしかに異物が存在する、という“事実”の異様さに動揺し、恐怖し、恐慌に陥る。その様子が捉えられている映像は、やはりとても迫力がある。
そこに映っている異物は、あるいはなにかとてもありふれた事物を、異様なものだと見間違えているだけなのかもしれない。しかし、いくら後から検証を重ねたとしても、とてもいやな何かと遭遇してしまったという体験者の現場のリアリティを、覆い尽くすことはできない。

夜。Pがやたらと鳴声をあげる。ベッドの部屋の暗がりで、窓に向かって、アウォオオン、アオゥウウン、と遠吠えのような声で鳴く。
あまりしつこいので、どうした?と近づくと、叱られると思うのか、スッと身を屈めて、頭を低くする。その仕草があまり可愛くて胸がキュウとなる。それで、寝転んで、頭や喉を撫でてやると、気持ち良さそうにゴロゴロ喉を鳴らす。しばらく撫でてから、じゃあね、と机の方に戻ると、またすぐにどこか切なそうな鳴声を上げはじめる。それで、だからどうしたんだよ?と近づくと、叱られると思うのか、スッと身を屈めて、…とこんなことを2時間繰り返した。

2時半頃、就寝した。

by daiouika1967 | 2008-03-03 01:37  

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