10月15日(水) 晴

朝起きて、ぼーっとしたままパソコンを起動し、ぼーっと「ほぼ日」の松尾スズキのインタビューを読んで、そうしているうちに、すこし遅れて妻も起きてきた。
松尾スズキのインタビューでは、阿部サダヲのことが語られていた。阿部はすごい、何がすごいかというと、普通舞台に出る役者は舞台袖で役になるための「タメ」の時間をもつものだが、阿部は楽屋からまったく足を止めることなく、スーッと舞台まで出て行ってしまう。それで普段はうつむいてぼそぼそしゃべるだけの男が、あのハイテンションキャラを演じきってしまう。
朝食はバナナ一本で済まし(別にダイエットのつもりはない。最近、森公美がバナナダイエットを広めたせいでスーパーに行ってもバナナが売り切れていることがある)、家を出る。

喫茶店で青木貞茂『文化の力 ―カルチュラル・マーケティングの方法』(NTT出版)を読む。最初の三分の一くらいは面白かったのだが、後半、なんだか議論が現象の表層を上滑りしているだけのような気がしてきて、読み飛ばした。
まだ面白く読んでいたところから、一箇所引用する。
《商品の価値を説明するとき機能性や合理性にもどってしまい、このソフトドリンクは「おいしい」、あるいはこの動物は栄養的に「バランス」がいいとか「食べやすい」という説明をしてしまいがちである。
しかし、商品の昨日を分析するにも幅広く人間的考えなければならない。価値の問題を考察する視点を、効率化、便利といった機能合理性の範囲だけで考えてはならない。生活を「楽しく」「明るく」するにはといった情緒的側面、「家族愛」や「自己実現」を満足するといった精神的側面までを含まなければならない。
品質・機能は、商品の意味の一つである。ブランド価値、イメージ価値、デザイン価値も同じような意味の一つである。問題は、生活者にとって何が重要であるかを無視して、品質・機能第一主義に陥りがちになることにある。私たちは、知らず知らずのうちにモノ第一主義に汚染されている。
消費行動、購買行動は、ホモエコノミクスという仮説だけでは説明しきれない。選択の合理性を想定するだけでは、商品開発や広告表現開発などに対応できない。経済という問題も近代的合理性だけでは、説明しきれないという問題意識を持つべきなのである。商品、ブランドというモノへの愛や情感や神話が必要とされ始めたとき、私たちは全面的に説明原理を変換、もしくは拡張しなければならない。》
こう書き写していると、なんだか当たり前のことが言われているようにも思う。
消費者が生きている世界は、経済合理性や生産の論理が通じる「合理的」な世界より、もっとずっと広い。その、ある意味「非合理」な生活世界全体を捉えるためには、自身が消費者として「フィールドワーク」するという、「文化人類学者的」な知の在りようが要請される。ある商品やサービスが、生活世界を律するヴァナキュラーな「文化」のなかで、どのような「象徴的意味」を持つのか。マーケッターは、そこを掴まなければならない。
話の大筋は、そういったところで、それはそれでそれなりに面白いのだが、ただ、参照される実例への眼差しが浅いというのか、ある商品やサービスの消費者にとっての「意味」を汲み取る地点が浅いような気がするのである。

昼飯はホウレンソウときのこのきざんだやつが入ったパニーニ、ミニサラダ、コーヒー。
食後、銀行にお金を引き出しにいったら、入っているべき金が入っていなかった。
ショック。
Kが入金していないらしい。
Kが野放図な経営のやり方から、会社の運転資金が足りなくなっていることは、だいたい察知しているが、それにしても、おれへの支払い分を滞らせ、自分のやりくりに回してやがるのだ、と思うと、腹が立ってくる。ふざけんなよ、甘えやがって、と、いらいらしながら、やんわりとした表現の督促のメールを送っておく。

午後、何かに急きたてられているような心地になり(時々そうなるのだが)、<三省堂>へ(行動自体は普段とまったく変わらないが)。
仕事で必要な携帯サイトのSEMに関する本をさがす。2007年の半ばくらいから、携帯に搭載された検索エンジン使用の普及率が大幅に伸びて、それを境に、携帯の一般サイトをめぐる状況が全く変わってきている。だから、本も、それ以降に出版された本じゃないと、アクチュアルな情報は載っていない。何冊かの奥付で出版年月日を見て、森直樹という著者の『御社がケータイ上位検索を獲得する方法』(東洋経済新聞社)という本を選ぶ。
ついでに、木田元『反哲学史』(講談社学術文庫)も買う(解説を保坂和志が書いていた)。

喫茶店で、『御社がケータイで上位検索を獲得する方法』を読み始め、半分くらい読み進む。
なんだか頭が煮詰まったような感じになってきたので、5時前には家に帰った。帰ると妻は出掛けていて、ちょうど妻からメールが入った。今マックスバリュにいるというので、迎えに行き、4000円分の食材を持って帰った。
今日も夕食は鍋。うどんすきである。つみれ、豆腐、しらたき、しいたけ、うどん。
食後、夜は寝不足もあるのか、疲れて何もする気にならない。テレビで日本史の場面の再現ドラマみたいな番組がやっていて、それをぼーっと眺める。ボーっと眺めているうちに、すこしだけ精気が戻ってきたので、夜中はパソコンの前で、仕事をした。2時過ぎに就寝。
[PR]

by daiouika1967 | 2008-10-17 09:30 | 日記  

<< 10月16日(木) 晴 10月14日(火) 雨 >>