10月22日(水) 曇

昼、平出隆『遊歩のグラフィスム』(岩波書店)の残り半分を読む。読了。
「遊歩」というテーマに沿って、河原温、正岡子規、川崎長太郎に付きつつ、ベンヤミン、バシュラールなどのことばを援用しつつ、吉行淳之介、澁澤龍彦も登場し、このエッセイ自体が「遊歩的」に書き進められていて、最後まで「拡散的な集中力」を喚起させられ、まったく飽きない。

仕事で人と会う。いまどき金のローレックスをギラギラさせて、見るからに田舎のヤクザだが、れっきとした悪徳弁護士である。久しぶりに会うと、彼も、悪人特有のエッジ感が薄れ、人のいい田舎の成金やくざといった風情をしている。昔、この悪徳弁護士の傘下で悪事を働いていた小悪党だったおれも、いまやすっかり日々の平穏をだらだらむさぼる中年太りのおっさんである。
いっしょに悪事を働いていた頃、ある小さな宗教団体を潰すという仕事をやったことがある。こうした仕事は、いろいろと面倒な後処理があって、それをいまだに引きずっているのである。仕事の話といっても、その後処理についての打ち合わせで、これから金になる話ではない。彼は弁護士だけあって、仕事は終わるまできっちりと遂行する。おれは、もう金にならないとなると、普段にもまして適当になるので、話していてもものすごく温度差がある。

午後、石川ひとみを聴きながら、<ジュンク堂>まで歩いて、カフカ『失踪者』(池内紀訳 白水社)を買う。
カフカは大学の頃、全集を読んでいるので、すべての文章を読んでいるはずなのだが、読み出してみると、やはりまったく覚えていない。
しかし、それにしても、おもしろい。大学生の頃のおれは、このおもしろさを、どれだけ味わえていたのだろうか。それでも全集を読破しているから、強く惹かれるものはあったのだろうが。
200ページほど読み進んで、夕方。家路を歩く。

夜。木田元『反哲学史』(講談社学術文庫)を読み始める。80ページまで読み進んだ。
12時にはベッドに入る。うつらうつらしながら、なかなか寝付けず、寝返りばかり。
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by daiouika1967 | 2008-10-23 21:41 | 日記  

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