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4/15(金) 曇

夜、K氏と会う。K氏は生活破綻者だが、趣味が合って、教養の偏り方が似ていて、話が合う。そんな相手は滅多にいないので、たまに用事もなく飯を食いに行く。用事もなく会いたくなる友達は、もうほとんどいない。K氏とサイコパスSのふたりくらいだ。
チキンカツを食べながら、焼酎を飲んだ。
K氏と飲んでいるといつも、彼のペースにつられて、おれも普段より多量の酒を飲んでしまう。K氏は酒を水のようにガブガブ飲み、ある量まで進むと唐突に酔っ払う。それまでは楽しいのだが、酔っ払うと正体を失って話が通じなくなるので、もういっしょにいてもつまらなくなる。K氏は朝までやっているような外国人パブに行きたがるのだが、おれは付き合う気にならず、ごねるのを宥めつつ繁華街の外れまで歩き、タクシーを止めてK氏を押し込める。おれは、酔いを醒ますために、歩いて帰った。

ベッドのなかで、沖田×華『ニトロちゃん』(光文社)を読む。
「発達障害」だった著者自身の子供時代を題材にした漫画で、帯の推薦文をゲッツ板谷が書いている―≪様々な、“見えない障害”をかかえ、小学生の時から遺書をしたためていた沖田。ボキは何度も吹き出しながら、やっぱし最後の方は号泣してました。≫
すこし前に山下成司『発達障害 境界に立つ若者たち』(平凡社)を読んだ。
おれは“発達障害”の子供を持っているわけではないし、教育者でもなく、それでも彼らに対しどこか切実な興味を覚えるのは、もしかすると彼らの在りようにおれ自身を重ね合わせているところがあるのだろうか、とも思う。
「周囲の人が簡単に分かることが自分には分からない」という感覚は、おれ自身馴染みの強い感覚ではないか。「周囲の人が自明のこととして納得していることが自分にはいつまでも腑に落ちない」―その疎外感、寄る辺なさ。
ニトロちゃんが“見えない壁”を相手に一生懸命ジタバタするのを読みつつ、おれも「何度も吹き出しつつ、やっぱし最後の方は号泣」、はしないけれど、とめどなく悲しい気分になった。

by daiouika1967 | 2010-04-19 22:47 | 日記  

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