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3月26日(水) 曇

昼前に起き出して、とりあえずパソコンを起動し、サイトを周って、日記をつけ、朝昼兼用でソーメンサラダ(キャベツの千切りときゅうりの小口切りのサラダに茹であげたソーメンを乗せてゴマドレッシングをかける)を拵えて食べ、…それから、リクライニングチェアに凭れて、柴崎友香『次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?』(河出文庫)から、表題作の「次の町まできみはどんな歌をうたうの?」を読んだ。

登場人物は視点人物の「おれ」と、おれの友だちの「コロ助」と「恵太」、そして「恵太」の彼女で、「おれ」が思いをよせている「ルリちゃん」の4人。おれは今これを本を調べることなく書いたのだが、記憶力の悪い(忘却力を誇る)おれが、一読しただけで虚構の人物をこれだけ覚えているということは、それだけ各キャラがくっきり描けているということだ。4人は、際立った特徴があるわけではない、ごく普通の若者たちである。そのごく普通の若者たちを、これだけ「くっきり」した印象を残すように描くというのは、とても高度なテクニックが必要なのではないかと思う。この小説は、ほとんどが、この4人が大阪から東京へ向かう車中の場面で展開する。大仰なドラマは何も起こらないのだが、人物がしっかり書き分けられていることで、それぞれの人物同士の関係性もクリアになり、そこには既に豊かな「ドラマ」が潜在している。何か「衝撃的な事件」が起こることがドラマなのではなく、人物同士の関係性がしっかり描かれていることこそが、真の意味での「ドラマ」なのである。

夕方。妻と名駅からJRに乗って岐阜へ向かう。中国障害者芸術団による公演『千手観音 My夢Dream』を観に行った。名古屋公演のチケットは売り切れて買えなかったので、岐阜の長良川国際会議場での公演のチケットを取ったのだ。
客層は中高年中心の老若男女。けっこう広いホールだったのだが、客席は満員になっていた。公演は6時半から、約2時間。内容は舞踏、歌、器楽演奏、京劇。こうした構成のレヴューは、こちらの興味を牽引してくれる筋立てが何もないので、ただそれぞれの場面のスペクタクルに目を奪われていればいい。綺麗といえば綺麗、退屈といえば退屈な2時間だった。
名駅に帰ると、9時過ぎになっていた。高島屋のレストラン街に行き、<トラジ苑>で焼肉を食べた。家に帰ると、11時前になっていた。

by daiouika1967 | 2008-03-27 10:35 | 日記  

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