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12月17日

夕方。のど飴を舐めながら、駅裏をぶらつく。手が冷たくなるような寒さ。景気づけにHard bop。Hank Mobley『WORK OUT』(61年録音)を聴いて、体を揺らす。ギターGrant Green、ピアノWynton Kelly、ベースPaul Chambers、ドラムPhilly Joe Jones。
中古レコードショップ<69>の前を通りがかり、ふと寄ってみよういう気になって、狭い階段を上がる。店に入ると、CDの棚が減っていて、閉店セールの張り紙が目にとまった。今月で閉店するらしい。この店はそもそも値付けが安いが、さらに2、3割安くなっている。KRAFTWERK『minimum-maximum』(2003年のTOUR DE FRANCEリリースのときのワールドツアーの時の2枚組LIVE盤)、XTC『THE COMPACT XTC』(78年-85までのシングルを18曲集めたベスト盤)、ISOTOPE217『WHO STOLE THE WALKMAN?』(2000年発売のISOTOPE217の3rd。2000年といえばおれは“音響派”を漁っていた時期で、これもそんな文脈の中で聴いた覚えがある。今聴くとまた違って聴こえる予感)、MILES DAVIS『doo-bop』『永井豪の世界』(永井豪のアニソンを集めた企画盤。「マジンガーZ」「キューティーハニー」「デビルマン」「ドロロンえん魔くん」他)の5枚を購う。5枚で4000円。

# by daiouika1967 | 2011-12-18 08:31 | 日記  

12月17日

大きな屋敷がつづく、庭に植えられた樹木の翳の落ちる、すこし薄暗い街路を歩いていると、細い川に架かった、ほんの十歩ほどで渡れる小さな橋の欄干に凭れ掛かるようにして、おそらくは60代になりかかったあたりの老婦人が、スケッチブックに色鉛筆で絵を描いていた。
何となく覗き込むと、そこには川のほとりの景色、しょぼしょぼとした水の流れと、葉の落ちかかった街路樹の淋しげな枝ぶりが描かれていた。画題とするにはあまりに何でもない景色だが、サラサラと色鉛筆を動かすその筆さばきはなかなかの熟練を感じさせる。それで「うまいもんだな」と思わず感想が口から漏れた。
老婦人は、一瞬きょとんとした顔を向け、すぐに小さく会釈をして、「どうも」とお礼のようなものを返して、おれが目礼すると、そのまままた絵を描く作業に戻っていった。
最近どうも口が緩いというか、ぼんやりしているとつい思ったことがそのまま口から漏れ出てしまう。離人症の症状が進んでいるのだろうか。気をつけないといけない。

# by daiouika1967 | 2011-12-17 17:17 | 日記  

12月17日

夜中の3時17分。丑三つ時だ。横になると咳がとまらず、どうにも苦しくて眠れないので、けっきょくこうして起きだし、パソコンの前に向かっている。
木谷恭介『死にたい老人』(幻冬舎新書)を読み了える。戦争体験の回想。著者は、渡辺白泉の有名な俳句―「戦争が廊下の奥に立っていた」(昭和14年)を引き、この句に接すると、陸軍参謀の辻政信を連想すると書く。

≪辻は陸軍の参謀で、ノモンハン事件、バターン死の行進、ガダルカナル島の戦いの作戦を立案し、その無謀な作戦によって、数万、数十万の死者をだした。
しかも、敗戦になると僧侶に変装して逃亡、戦争犯罪者としての時効が切れるまで潜伏、時効が切れた1950年に、逃走中の記録『潜行三千里』を発表、ベストセラーになると、その知名度を利用して衆議院議員に当選、以後10年ちかく政治家として栄光をきわめ、1961年、東南アジアを視察するとして公用旅券で出国、行方不明になった。≫


俄然、辻政信という人物と『潜行三千里』という書物に興味がわく。東南アジアで行方不明という最期も、陰謀めいたことから怪談めいたことまで様々に想像をそそる。

# by daiouika1967 | 2011-12-17 03:31 | 日記  

12月16日

企業パンフレットの構成案を作る、という仕事で、パソコンに向かって、夕方の二時間、騙し騙し何とか形をつけ、会社を抜け出すと外は真冬のような寒さだった。おれが外に出るのとちょうど同時に、曇天からかき氷のようなみぞれが落ちてきて、ビル風に舞ってまとわりついてくる。息苦しいような寒さに胸がぜいぜいする。また、咳が出る。12月に入ってもう二週間、胸、喉の調子が悪い。今年はよく風邪をこじらせる。

ジュンク堂に寄り、木谷恭介『死にたい老人』(幻冬舎新書)、桑野隆『バフチン -カーニヴァル・対話・笑い』(平凡社新書)の二冊を購う。
喫茶店で熱いコーヒーを注文し、木谷恭介『死にたい老人』(幻冬舎新書)を読み始める。83歳の小説家が「もう十分生きた、これ以上生き延びてもはた迷惑なだけだ」と、断食による自死を試みる。その記録。
著者は自らを週刊誌マニアと称し、断食からくる倦怠感で歩くのすら億劫になっても、週刊誌の発売日には、タクシーでコンビニまで買いに行く。週刊誌。およそ考えられる限り「俗」の極みであるような読み物だ。即身仏を志す僧は、断食して死への道行を進む間ずっと経を唱えて過ごすのだというが、著者は経の代わりに週刊誌の記事を読み徹底して平俗な感想を吐露しつづける。いっそ清々しくも感じられる。

1時間で、半分くらいまで読み進む。暖かさに眠気がくる。最近、横になると咳が止まらなくなるので、寝不足が続いている。眠気にぼんやりすると、それとともに性器がムズムズしはじめた。射精はしたいが、心身とも疲れていて性行為はしたくない。ほとんど排尿欲求に近い即物的な性欲。

# by daiouika1967 | 2011-12-16 21:58 | 日記  

11月26日

朝、雑事。10時前に家を出て、ミスドでポン・デ・リングとコーヒー。塚原史『記号と反抗 -二十世紀文化論のために』(人文書院)読了する。

名古屋駅が普段より混雑している。何もなくても街が混み合う日というのが、たまにある。それともおれの知らないイベントでもあったのだろうか。
午後はサウナに入る。4時過ぎまでまったり過ごす。

夕方、家に帰り、いましろたかしが脚本、絵コンテまで書いたという映画版『デメキング』を、DVDで見る。
地方の中高生なら誰でも感じるであろう、どうしようもない閉塞感、その退屈、あるいは猶予感、むしろ自由、無為に潰される時間の逆説的な豊饒さ。
中高生だけでなく、大人だって結局のところ、そんな時間のなかで、焦ったり、だらけたりして、日を過ごしている。
いましろたかしは、そんな「感じ」を描かせたら、天才的な漫画家だと思う。
映画でも、その「感じ」は、しっかり表現されていた。

続けて、細野晴臣とワールドシャイネスのライブ映像を見る。3、4回目くらいか。「チャタヌガチューチュー」でひとり踊る。

# by daiouika1967 | 2011-11-27 16:04 | 日記